卒後臨床研修案内
研修医室コラム
当院で研修中の先輩医師や指導医が秋田県医師会報『秋田医報』や秋田市医師会報に投稿したのでご紹介します。
たまな(20.4.15)
| 卒後臨床研修医 三ケ田 敦史 |
| 私の研修生活も2年が経過しようとしており、いよいよ終了の時が近づいています。長かったようで短かったような期間でしたが、 様々なことを経験することができ、印象に残っている事がたくさんあった2年間でした。これから1人前の医師として秋田の医療にしっかり貢献していくことができるか 不安もありますが、研修で得た経験をもとに頑張っていきたいと思っています。研修終了にあたって引っ越しや書類手続き関係などがあり忙しい時に今回の原稿を依頼されて、 何を書こうか困ってしまったのですが、考えながら入ったコンビニの中で”超神ネイガー”キャンペーンなるものをやっているのを見て、秋田弁について書いてみようと考えました (かなり強引ですが)。 |
| 私は大学時代他県出身の友人が数人おり、「秋田県人は秋田弁がわかっていいなぁ」と言われたことが何度かあります。また、秋田では当たり前のように使われている ”なげる”、”でかす”などといった言葉はどうも他県では通用しないようで、無意識的に使用してどういう意味かわからないといった風に唖然とされたことなども何度か あります。私は秋田に生れて秋田に育って30年近くなりますが、秋田のことは他県出身の人よりわかっていて、訛りの強い患者さんを診察する時も言っていることを理解できている つもりですが、一口に秋田弁といっても県北、県南など地方によって特徴もあり、私でもわからない時が多々あります。日常診療の中で患者さんを診察していると、 当然訛りの強い患者さんもいるので、言っていることが理解できなかったり、勘違いしてしまったりした経験がこの研修期間の中でも何度かありました。 今回はその中でも一番印象に残っている”たまな”についての一件を書くことにしました。 |
入院中の患者さんで、御高齢の女性の方についての話なのですが、家族から最近認知症の症状が進んでいるような気がすると言われたので入院の原因疾患とは別に
一度評価してみようということになりました。認知症の患者さんの評価尺度の一つに長谷川式簡易知能評価スケールというのがあるのですが、
これを用いて評価するため患者さんのところに行きこれから質問すると言ったところ、受け答えはしっかりしていたので、年の割に達者な人だなという印象でした。
実際検査を始めてみると非常に微妙なレベルであり、明らかに認知症というわけではないな、という感じだったのですが、最後の”知っている野菜の名前を思いつく限り
挙げていく”項目前までの合計得点は16点であり、カットオフポイントは合計得点20点以下なので、5点以上得点するためには10個以上野菜の名前を挙げられなければならず、
そうでなければ認知症の疑いありという結果になるためほぼ疑わしいだろうとかんがえられました。最後の質問をすると、大根、ニンジン、ほうれん草などと出てきて9つまでは
正解したため、これはカットオフポイントを超えるかなと思っていたのですが、最後の10個目に出てきたのは”たまな”という言葉でした。知らない言葉だったので
私は聞きなおしたのですが、聞きなおしてもやはり”たまな”であり、どのような野菜か利いてみても「そんなこと言われても”たまな”は”たまな”だ。」と言われてしまい、
「じゃあそれ以外で」と聞くと「もう出てこない」と言われたので、その結果で判定せざるをえなくなってしまいました。水菜や小松菜の一種なのか?それともたまねぎの
別名とかなのか?などいろいろ考えましたが、合っているのかどうかわからず、それが結果を左右するため(厳密にはそんなところにこだわらなくてもいいのでしょうが)
微妙だなと思いつつもとりあえず”たまな”という野菜は実在する、ということにして検査を終了しました。ナースステーションに帰ってくると秋田県在住歴50年余の
上級医の先生に「どうだった?」と聞かれ、このことを話すと「そんなのお前キャベツのことに決まっているだろ、それくらい秋田で医者やるならわからねばダメだ。」と
言われて「なるほど”玉状の菜”で”玉菜(たまな)”か」と感心しましたが、「そんなものわかるかい!」という思いでした。
|
| 秋田弁というものも奥が深いもので、秋田県人の私でもこのようなことはたまに経験するので、他県出身の医学生などは慣れないので言葉がわからないことが多く 大変なのだろうなと思います。もしかしたら秋田に医者がなかなか残らないのはこのことも少なからず影響しているのかな、と感じなくもありません。 私の研修ももうすぐ終わってしまいますが、秋田で医者をやっていく以上は患者さんの言っていることがわからない時もあるので、我々医療従事者は医学だけではなく 秋田弁についてもより精通していく必要があるのでしょう。 |
◇病院見学・学生実習を希望の方は、次の項目について連絡ください。
(連絡いただきたい項目)
(1) 見学・実習の別 (2) 氏名 (3) 大学名・学年 (4) 希望(日にち・診療科・内容など具体的に) (5) 連絡先(電話・メールアドレス)
(連絡先)
〒011−0948 秋田市飯島西袋一丁目1番1号 秋田組合総合病院 総務課
Tel 018-880-3000 Fax 018-880-3040
E-mail:akikumi@akikumihsp.com
(連絡いただきたい項目)
(1) 見学・実習の別 (2) 氏名 (3) 大学名・学年 (4) 希望(日にち・診療科・内容など具体的に) (5) 連絡先(電話・メールアドレス)
(連絡先)
〒011−0948 秋田市飯島西袋一丁目1番1号 秋田組合総合病院 総務課
Tel 018-880-3000 Fax 018-880-3040
E-mail:akikumi@akikumihsp.com




入院中の患者さんで、御高齢の女性の方についての話なのですが、家族から最近認知症の症状が進んでいるような気がすると言われたので入院の原因疾患とは別に
一度評価してみようということになりました。認知症の患者さんの評価尺度の一つに長谷川式簡易知能評価スケールというのがあるのですが、
これを用いて評価するため患者さんのところに行きこれから質問すると言ったところ、受け答えはしっかりしていたので、年の割に達者な人だなという印象でした。
実際検査を始めてみると非常に微妙なレベルであり、明らかに認知症というわけではないな、という感じだったのですが、最後の”知っている野菜の名前を思いつく限り
挙げていく”項目前までの合計得点は16点であり、カットオフポイントは合計得点20点以下なので、5点以上得点するためには10個以上野菜の名前を挙げられなければならず、
そうでなければ認知症の疑いありという結果になるためほぼ疑わしいだろうとかんがえられました。最後の質問をすると、大根、ニンジン、ほうれん草などと出てきて9つまでは
正解したため、これはカットオフポイントを超えるかなと思っていたのですが、最後の10個目に出てきたのは”たまな”という言葉でした。知らない言葉だったので
私は聞きなおしたのですが、聞きなおしてもやはり”たまな”であり、どのような野菜か利いてみても「そんなこと言われても”たまな”は”たまな”だ。」と言われてしまい、
「じゃあそれ以外で」と聞くと「もう出てこない」と言われたので、その結果で判定せざるをえなくなってしまいました。水菜や小松菜の一種なのか?それともたまねぎの
別名とかなのか?などいろいろ考えましたが、合っているのかどうかわからず、それが結果を左右するため(厳密にはそんなところにこだわらなくてもいいのでしょうが)
微妙だなと思いつつもとりあえず”たまな”という野菜は実在する、ということにして検査を終了しました。ナースステーションに帰ってくると秋田県在住歴50年余の
上級医の先生に「どうだった?」と聞かれ、このことを話すと「そんなのお前キャベツのことに決まっているだろ、それくらい秋田で医者やるならわからねばダメだ。」と
言われて「なるほど”玉状の菜”で”玉菜(たまな)”か」と感心しましたが、「そんなものわかるかい!」という思いでした。